遺留分侵害額請求者に対する特別寄与料の請求

令和元年7月1日施行の改正相続法に関する最高裁判例を紹介します。

 

同改正法によって、民法1050条が新設され、特別寄与料の請求が認められるようになっています。

この点、改正前から、被相続人の財産の維持や増加に貢献をした場合に、法定相続分より多く相続財産を取得することを認める寄与分という制度はありましたが(民法904条の2)、寄与分は相続人しか認められていません。

特別寄与料の制度では、相続人や放棄等により相続権を失った者以外の被相続人の親族(民法725条。例えば、本件のような相続人の配偶者等)が、寄与に応じた金銭の支払いを請求できます。そして、相続人が複数いる場合は法定相続分等に応じて、各相続人が特別寄与料を負担することとされています(民法1050条5項)。

 

令和5年10月26日最高裁第一小法廷決定は、遺言により相続分をないものと指定された相続人Aが遺留分侵害額請求権を行使したことに対し、別の相続人B(遺言により全ての遺産を相続しています)の妻が遺留分に応じた特別寄与料の請求をした事案に関するものです。かかる事案において、最高裁は遺留分侵害額請求権が行使(したがって、一定の相続財産を受け取ることになる)されたとしても、遺言で相続分がないとされている以上、特別寄与料を負担しないと判断しました。

 

事案の詳細は不明ですが、仮に多額の特別寄与料が認められるようなケースであったとしたら、遺言が無かった方が結果としてB(とその妻)に多くの財産を残せた、ということもあり得るでしょうか…。ただ、現状は特別寄与料の請求自体の見通しが不明瞭なため、あえて遺言を書かないなんてことは考える必要はないでしょう。

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