「相続」対策と「相続税」対策 ~ もしもの時に揉めないために ~
「相続」対策が先か、「相続税」対策が先か
みなさんはどちらが先だと思われますか。
「鶏が先か、卵か先か」というジレンマは、この場合には当てはまらないと思っています。
この場合は、「相続」対策が先だと思います。
「相続税」対策より「相続」対策の方が大切、だと私は考えています。
今、私の手元に週刊ダイヤモンドの2017年12月23日号がありますが、特集記事はドーンと『節税術』です。やはり「節税」という単語は目を引きますよね。
誰しも納めなくてよい税金なら納めたくない、納めずに済むものなら出来るだけ納めずに済ませたい、というのが、私も含めて、人情だと思います。
不動産を購入したり、生命保険に入ったり、生前贈与したり、会社を作ってみたり、いわゆる節税策も、時代の流れと法律・規定の改正に応じて、いろいろ考えられています。
でも、ちょっと待ってください。
あなたが考えている節税策も、ひょっとすると、親族の仲が良ければこそ機能させることが出来る対策なのかもしれません。
核家族化が当たり前の時代ですし、普段は離れて暮らしている親類縁者が疎遠になってしまうのは仕方がないことかもしれません。
何年も、何十年も顔を合わせていないこともあるでしょうし、お互いに初めましての状態で、いきなり遺産をどう分けるかの話し合ってくれと言われても、なかなか円満に進めるのは難しいでしょう。
残された親族の気苦労を案じて、揉めないようにと遺言を書いておいても、故人の思いが100%理解される保証はありません。
内容が気に入らないものは気に入らないわけですから、遺言があることでかえって揉めてしまうこともあるでしょう。
実家の土地建物を複数の相続人で分けなければならなくなるなど、互いに知恵を出し合って、ときには譲り合わないと話がこじれてしまうこともあります。
誰かが得した誰かが損した、と損得の話を持ち出すと、あれこれ相続税対策を行っていたとしても、相続が「争族」に発展し、節税どころの話ではなくなってしまいます。
財産の切れ目が縁の切れ目とばかりに、親族関係が壊れてしまうこともあります。
年末年始ということで、普段は離れて暮らしている家族や親族が集まる機会もあるかと思います。
しっかりしている今だから、元気だからこそ出来る「私がもしものときは~~~」のお話を切り出して頂いて、お考えやお気持ちをやんわりと伝えておく。
それだけでもご相続が起きたときに揉める可能性は減ると思いますし、「相続」対策にもなるのでは、と思います。