民法改正と離婚後の共同親権等について

2026年4月1日施行の民法改正により、離婚後の親子関係に関する規律は複数の点で見直されました。改正の中心は、離婚後も父母双方が子の養育に関与することを前提に、親権および監護に関する制度を再構成した点にあります。

1 親権者の定め(民法819条)

民法819条が改正され、離婚後の親権について、父母の双方を親権者と定めることができる旨が明記されました。従来は、離婚時には父母の一方を親権者と定める必要があり、単独親権のみが制度上の前提でしたが、改正後は単独親権と共同親権のいずれも選択することが可能となっています。

2 養育責務の明文化(民法817条の12)

これと併せて、民法817条の12が新設され、父母は、婚姻関係や親権の有無にかかわらず子を養育する責務を負うことが明文化されました。親権の帰属とは別に、父母双方が子の養育に関与することが制度の基本原則として位置付けられたといえます。

なお、離婚後の子の監護に関して定めるべき事項は、民法766条が規定するとおりで、その内容は概ね改正前と同様です(監護の分担、子の居所、面会交流および養育費の分担等)。

3 財産分与(民法768条)

財産分与については、民法768条が改正され、家庭裁判所に対する請求期間が離婚後2年から5年に延長されました(同条2項)。離婚後の財産関係の整理に関して、従来よりも時間的余裕が認められることになります。

4 養子縁組との関係(民法797条)

未成年者の養子縁組については、父母の同意が必要とされる点(民法797条1項)自体に変更はありませんが、今回の改正では、養子縁組後の親権の帰属関係が条文上整理されています。

5 親権の内容および判断基準(民法824条以下・766条1項)

親権の内容を定める民法824条以下の規律については、改正はなく、監護教育および財産管理という基本構造は維持されています。また、子の監護に関する事項について「子の利益」を最優先とする基準(民法766条1項)についても、従来どおり変更はありません。

6 参考情報

制度の詳細については、法務省のパンフレットもご参照ください。

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