民法改正~第7回~

 7回目となる民法改正に関するブログは,「意思能力制度」「代理人の行為能力」に続いて,「瑕疵担保責任」についての改正点を説明します。

 

「売主の瑕疵担保責任」

(1) 特定物(当事者が物の個性に着目した物のことで,典型的には骨董品があたります。)の売買に関しては,その物に瑕疵(通常有すべき性能品質を欠いていること)があっても,その物を引き渡せば足りるところ(そのため完全な物を引き渡さないことによる債務不履行責任を観念できないとされています),瑕疵がないと信頼した買主が不利益を被ってしまうことになるため,瑕疵担保責任は,そのような買主の信頼を保護するための特別の法的責任であるというのが,これまでの通説的な理解でした。

  これに対し,改正民法では,瑕疵担保責任を法定責任ではなく債務不履行責任であるとしています。これは,特定物であっても,売主は契約の内容に適合した目的物を引き渡す義務を負うとするのが適切であり,商品に欠陥がある場合には代金減額により処理される事案も現実には多いことから,それを買主の権利として認めるべきであるという考慮によるものです。

(2) 改正民法では,現行民法における瑕疵担保責任の要件として,瑕疵が「隠れた」ものであることが要件とされている点を,単に「契約の内容に適合しない」ものと改めています。

そして,瑕疵担保責任の内容として,債務不履行の一般則に従って損害賠償請求(「履行利益=契約どおりに履行されたら得られたであろう利益」まで含む),解除を認めるとともに,追完請求及び代金減額請求ができることを明示しています。

(3) また,現行民法では,瑕疵担保責任の追及は,買主が瑕疵を知ってから1年以内の権利行使が必要とされています。この「権利行使」の意義について判例は,裁判上の権利行使は必要ないが,少なくとも売主に対し,具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請求をする旨を表明し,請求する損害額の算定の根拠を明確に示すなどして,担保責任を問う意思を明確に告げる必要があるとしています。

この点,改正民法では,契約に不適合なことを知ってから1年以内に「通知」することが必要であるとしています。この「通知」の内容については,不適合の種類やおおよその範囲を通知することが想定されているようです。

 

 理論的な話ですが,これまでの理解から大きく変わっていますので,しっかりと押さえておくべきであると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横浜の弁護士 横浜よつば法律税務事務所へのお問い合わせ

民法改正