大学生と考える~「交通事故」を防ぐには~
はじめに
2024年3月4日のブログで、神奈川県弁護士会の法教育センターの活動として、裁判傍聴会や出前授業を実施していることはご紹介したとおりです。
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今回は、実際の出前授業の中から、どのような内容だったのかをご報告します。
大学での講義
出前授業は、中学校や高校からの依頼が多いのですが、中には小学校や大学からの依頼もあります。
大学での出前授業は、ゲストスピーカーとして講義の中で話をしたり、模擬裁判を一緒に行うなどの体験型の講義を行うこともあります。
法学部の大学生を対象とした講義の場合には、民法や刑法といった法律を学んでいることを踏まえ、やや専門的な話をすることが多いです。
交通事故のテーマの回
交通事故がテーマの回では、「交通事故が発生した場合に法律がどのように適用されるか」について、いくつかのケースを挙げながら解説します。
法律としては、①刑事事件になる場合、自動車運転処罰法や道路交通法で処罰されるのはどんなケースか、ということを説明します。その中で、とくに悪質な場合として、赤信号無視や飲酒運転、無免許といった場合には危険運転致死傷罪となる場合もあることを説明します。
さらに②民事事件として、民法709条を根拠として、不法行為に基づく損害賠償請求がされるケースがあること、損害賠償の項目としては、治療費のほか、後遺症が残った場合の慰謝料や逸失利益といったものが問題となるという話もします。
大学生となると、運転免許を取得したり、通学やアルバイトで実際に車やバイクに乗る機会も多くなるため、熱心に耳を傾け、質問が出ることも多いです。
交通事故を防ぐには
大学生に「交通事故を防ぐにはどのような方策があるか」を聞いてみました。
次のような意見が出ました。
当事者としてできること
・「かもしれない運転」をする。急に歩行者が飛び出してきたり、自転車が急に車道に出てきたりする「かもしれない」と意識して運転する。
・当たり前のことではあるが、交通法規を守る。
・歩行者として、目と耳をしっかりあけておく。歩きスマホをしたり、イヤホンで音楽を聴くことをせず、自動車や自転車に気を付ける。
国の施策としてできること
・カーブミラーやガードレールを設置する。狭い道路や、見通しの悪い道路に設置することで、交通事故を防ぐ。
・小学校で、交通安全教室を開き、交通事故のおそろしさを学んでおく。
・法令改正。罰則を強化したり、交通ルールを義務付ける。
以上のとおり、いろいろな意見が出ました。
大学生もしっかり考えていることが分かり、興味深かったです。
とくに、教育面でのこととして、小学校の交通安全教室でしっかり学んだ方がいい、という意見には、はっとさせられました。
他人事と思わず、自分のこととして交通事故のこわさを知ることが必要だという意見が参考になりました。
交通事故は、車や自転車に乗る誰しもが加害者になりえますし、全ての人が被害者になりえるものですので、事前・事後にどんな対策ができるか、日頃から考えていくことが必要と感じました。
まとめ
交通事故がテーマの回では、最後に講師からのメッセージとして、以下の3点を伝えました。
①交通事故に備え、きちんと保険に入りましょう。
②交通事故にあったら、すぐに警察を呼びましょう。
③ネットに頼らず、きちんと弁護士に相談しましょう。
弁護士に気軽に相談できることを、大学生にも知ってもらいたいと思った次第です。
交通事故に限らず、何か相談ごとがあったり、悩んでいることがありましたら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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